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インプラントはおすすめしません、歯の移植にしましょう。

2024.10.30
姫路市今宿の歯科医院 ひめじオリビエ歯科クリニックの松本です。


今回の治療について
右上の歯がグラグラのため、抜いてインプラントがいいと言われた患者様です。
口の中を確認したところ、前から4番目(beforeの写真の外側にある歯)が噛み合わせの関係で動揺しており抜歯せざるを得ない状況でした。
抜歯後インプラントも不可能ではないですが、前から5番目の歯が4番目の歯の真後ろに位置しており、この歯を移植することで一本の歯として適切な位置に歯を作れると考え治療を行いました。
インプラント治療は治療日も高く、治療期間も長期(上顎だと治療終了まで約4ー6ヶ月程度)にわたります。今回の治療では約2ヶ月で最終の歯がセットされ、治療終了しました。


歯の移植とは?インプラントとの違い

歯の移植とは、患者さん自身の親知らずや不要な歯を別の部位に移植する治療法です。これにより、自身の歯で噛む感覚が維持でき、場合によってはインプラントのような人工的な治療を避けることができます

治療過程と結果

  1. 移植前の検査:CTやX線を使い移植可能かどうかの確認を行いました。
  2. 移植の手術:患者様は歯科恐怖があったため、鎮静下で治療を行いました。まず、移植する歯(健全な歯)を抜歯し、口の外で神経の治療(根管治療)を行いました。その後に動揺のある歯を抜歯し、神経の治療を行なった歯を抜いたところに戻す処置を行いました。
  3. 結果:治療後の痛みはそれほどなかったとのことです。約1ヶ月の待機期間をおいて土台の作成、型取りを行い2ヶ月で治療終了しました。

歯の移植のメリットと注意点

自分の歯を使える安心感と適応性

自分の歯を移植するため、インプラントなどの人工歯よりも異物感が少なく、噛み合わせがより自然に感じられます。患者自身の歯のため、骨や歯肉との親和性が高く、術後の定着が良好なケースが多いです。

歯根膜の保存による自然な感覚

歯の移植では歯根膜を残したまま移植するため、歯が周囲の骨に直接結合するインプラントとは異なり、噛む力が自然に骨に伝わりやすいです。これにより、噛む力が分散され、顎の骨への負担が軽減されます。また、天然歯に近い感覚を得られます。

骨吸収の予防

インプラントの場合、骨が直接インプラント体と結合するため、長期的には顎骨の吸収が生じることがありますが、移植歯は歯根膜が残るため、骨の生理的な機能が保たれやすく、顎の骨を健康に保ちやすいとされています。

術後のメンテナンスが比較的簡単

移植歯は天然歯であるため、治療後のケアも日常の歯磨きや定期的な歯科検診など、通常の歯のメンテナンスで行えることが多いです。

治療の柔軟性

万が一、移植がうまくいかない場合でも、その後にインプラントを行うなどの別の治療を選択できる可能性があります。


まとめ:適切な治療選択の重要性

治療方法の選択は患者の生活の質に大きな影響を与えます。インプラントが唯一の選択肢ではなく、他の治療法も検討することで、自分の歯を長く使うことができる場合があるため、専門家としっかり相談して自分に合った治療を選ぶようにしましょう。


セラミック治療に関するページはこちら

院長

松本 憲一
ひめじオリビエ歯科クリニック院長の松本と申します。当院ではインプラント治療、審美セラミック治療、精密根管治療に力を入れており、なるべく患者様に負担が少なく長持ちする治療を心がけています。こちらのブログでは当院で治療を行った治療例を記載させていただいていますので参考にしていただければと思います。
歯のことでお困りの方は気軽に当院にご相談ください。
  • 略歴
    • 国立岡山大学歯科部歯学科卒業
    • 姫路赤十字病院 研修医修了
    • 岡山大学大学院歯薬学総合研究科 博士課程修了
  • 所属学会・資格
    • 日本口腔外科学会 認定医
    • 日本インプラント学会 会員
    • インビザライン 認定医
    • ヨーロッパインプラント学会(EAO) 会員

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