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上顎の骨造成(サイナスリフト:上顎洞底挙上術)を行えば骨がなくてもインプラント治療が可能です。

2023.07.12
姫路市今宿の歯科医院 ひめじオリビエ歯科クリニックの松本です。


先日右上の奥歯にインプラント埋入手術を行った患者様です。
手前部分は十分な骨の量があったのですが、奥の2本部分に骨の高さが少なくインプラント治療を行うにはサイナスリフト(上顎洞底挙上術)を行う必要がありました。特に一番奥の部分は骨の高さが約3mm程度しかありませんでしたが、治療期間短縮と患者様の負担軽減のために同時埋入を行い一度の手術で全てを完結することが出来ました。

サイナスリフトも問題なく、サージカルガイドを使用しインプラント埋入を行いました。
写真の黄色の線が骨の高さです。beforeの写真では奥の部分の骨が少ないですが、afterの写真ではインプラントの長さ以上に骨が増えていることが確認できます。
術後の経過も良好で、現在は待機期間(インプラントと骨が十分に結合する期間)となっています。

サイナスリフトはしっかりとしたトレーニングを受けたDrによる施術が必要です。特に上顎洞内に骨に置換する薬が侵入してしまうと、上顎洞炎(蓄膿)を起こしたり、手術をしたけど全く骨が出来ていないなどの状況が起こってしまう可能性があります。

骨が少なくインプラント治療を諦めている患者様や骨が少ないのでインプラントが出来ないと言われた患者様は一度診察を受けて見てはいかがでしょうか?

〜サイナスリフトについて〜
サイナスリフトは、インプラント治療の一環として行われる手術的なプロセスです。この手法は、上顎の奥歯部分にインプラントを埋入する際に、上顎洞(サイナス)の底を持ち上げることで、骨量不足や骨の質の問題を解決するために使用されます。

サイナスリフト手術は、患者さんが十分な骨量を持たない場合に特に有用です。上顎洞は、上顎骨の一部を占めており、歯の抜けた箇所には骨の厚みが不十分なことがあります。このような場合、インプラントを埋入するためには骨の追加が必要になります。サイナスリフト手術では、上顎洞を持ち上げて骨を追加し、インプラントを安定させるための十分な骨量を確保します。
手術は一般的に、以下のステップで実施されます。まず、上顎洞の周囲にアクセスするために、歯茎を切開します。次に、上顎洞の底を持ち上げるために、特殊な手法や器具を使用します。上顎洞の底が持ち上げられた後、空隙に骨移植材を挿入します。骨移植材は、患者さん自身の骨片や人工的な材料で構成されることがあります。最後に、骨移植材が固定された後、インプラントを埋入し、咬合力を復元します。
サイナスリフトは、高度な手術技術と正確な診断が必要な手法です。骨移植材の適切な選択、手術の精度、および咬合力の回復のためのインプラントの適切な配置が重要です。また、手術後の適切な経過観察とケアも欠かせません。この手法は、患者さんの骨量不足の問題を解決し、インプラント治療の成功率を高めるために重要な役割を果たします。
しかしながら、サイナスリフト手術にはいくつかの合併症やリスクも存在します。例えば、上顎洞の感染、骨移植材の移動、インプラントの失敗などが挙げられます。したがって、患者さんの適応性やリスクへの理解が重要であり、手術の前に詳細なカウンセリングと検査が必要です。
サイナスリフト手術は、インプラント治療の重要な手法であり、骨量不足の問題を解決するために効果的に使用されます。しかし、手術の適応性やリスクについては慎重な検討が必要です。患者さんとの十分なコミュニケーションと適切な診断に基づいた手術計画が、成功率を高めるために不可欠です。

院長

松本 憲一
ひめじオリビエ歯科クリニック院長の松本と申します。当院ではインプラント治療、審美セラミック治療、精密根管治療に力を入れており、なるべく患者様に負担が少なく長持ちする治療を心がけています。こちらのブログでは当院で治療を行った治療例を記載させていただいていますので参考にしていただければと思います。
歯のことでお困りの方は気軽に当院にご相談ください。
  • 略歴
    • 国立岡山大学歯科部歯学科卒業
    • 姫路赤十字病院 研修医修了
    • 岡山大学大学院歯薬学総合研究科 博士課程修了
  • 所属学会・資格
    • 日本口腔外科学会 認定医
    • 日本インプラント学会 会員
    • インビザライン 認定医
    • ヨーロッパインプラント学会(EAO) 会員

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